ぼんやり凝視

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キャンバス/アクリル  38.0cm×45.5cm ×2 (未完)

少し酔っている。酒を飲むのは久しぶりだ。 絵を描く上で苦痛なのは「描かなければならない」という脅迫観念。 「線を引かなければならない」と思って引いた線は、大抵良くない。 芸術は溢れ出る感情だ。 絵を描く作業は、発掘作業に似ている。 「そこにあるもの」を発掘するのだ。 凝視しただけでは気付かない。 ぼんやり見ただけでは表現できない。 その中間にある。 「ぼんやり凝視」することで視えてくる。 視えたら「そこにあるもの」を注意深く発掘するのだ。 描くのではない。 技術においては呼吸法も重要だ。 確かに、気の遠くなるような作業が伴う。 だが「ぼんやり凝視」することで何かを発見できれば、 単純作業も苦にはならない。 発見は情熱を呼び起こすからだ。 ]]>