PRESENCE #2

「それ」は常に、再現することでしか表現できない。
そもそも完全な再現すら不可能に近い。
芸術家は「再現」の代替品を創り、代替品のヴァリエーションを創る。
そこには決して満たされることのない「想い」だけが美的に表象される。
鑑賞者はその「想い」を自己流に、あるいは客観的に共感するだろう。 否、再現が完成されたとしても、満たされることはないだろう。
それは完成されたときから形骸化され、運が良ければ保存される。 否、そもそも、芸術は別のところに在る。
「それ」はマイケル・ジャクソンのパフォーマンスのように観衆を熱狂させ、
モーツァルトの音楽のように、心地よく涙を誘うように、
人々の心の中に、何の意図もなく、高速で浸透するだろう。
時代に関係なく、人間にはそのような感動が必要だ。 ”「無」からの反動により可視的になる”
”接近すると同時に同化し、「そのもの」となる”
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